黄金比を持つ長方形が紙の規格であるのには
色々な理由があるのだろうが、
その一つに「単独で平面を充填できる」という
要素があると思う。
平面を充填できる図形は他にもある。
そんな三角な六角な世界を想像してみる。
パラレルワールドのように。

紙・寒冷紗・糊
JIS is it ―みえない規格―
この企画は、JIS (日本工業規格)を入り口に、毎日ふれている環境の中の「規格」を改めて(あるいは、初めて)意識し、表現へとつなげるというものです。
JISをはじめISOなどの工業規格の上に現在の私たちの暮らしは成立しているわけですが、その事を日常の中で意識することはあまりありません。
今回、私たちはそういった「規格」に注目しました。規格というものが、
芸術と生活
意識と無意識
理想と日常
表現と鑑賞
あなたとワタシ、をつなぐ地下水脈の様なものと考えたからです。誰であろうと規格というものを“食して”暮らしています。朝起きてごはんを食べ、歯を磨き、電車に乗り、パソコンに向かい、…。その中に規格は必ずあります。布団・歯ブラシ・靴・ボタン…といった具合に。そしてどんなに前衛的な作品を作っている人も、JISに則った照明の下で制作し、A4の紙を使い、鉛筆を使い、JISに規定されたサイズの服を着ています。標準というものが私たちをつなぎとめているのです。消費される枠組みとして。あるいは、生きる土台として。
今、一人の生活者として足元をみつめ、その地下を掘るように、規格について考えたいと思います。4人4様の掘りぶりを是非味わってください。この展示が、皆様にとっての地下を意識するひとつの機会となりましたら何よりの喜びです。

JISとあなたとワタシ。
規格外の珍妙な品々を手がかりに、
この三角関係を考えます。
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